住民監査請求の実績紹介
以下、住民監査請求の事例をご紹介します。
ここでは簡単に要点をまとめてみました。正式な内容は、リンク先をご覧ください。
高等学校校長住宅跡地の不動産鑑定に係る支出に関する住民監査請求
- 監査対象機関
- 静岡県経営管理部資産経営課
- 対象行為
- 1.不動産鑑定料として総額862,440円の支出を行った
2.特定の鑑定業者に不動産鑑定を依頼し続けている - 違法又は不当理由
- 1.「がけ」「地盤が緩いこと」「排水が困難であること」等の減価要因の記載が無い違法な鑑定書を受領したことが違法
2.対象の土地(約800万円)を売るのに、既に862,440円も支出を続け、6年も売れないまま、価格を23.3%も減価しているが、 同一業者に鑑定を依頼し続け、報酬の支出を続けていることが不当 - 請求内容
- 1.支出全額返還を求めること
2.入札を行っても売れなかった場合には「なぜ売れなかったのか」「果たして鑑定評価書の価格は適正だったのか」を検討する部門を立ち上げること
3.違法、不当な鑑定評価書を作成・提出する不動産鑑定業者を選定しないよう、早急に対策を講ずること - 監査結果
- 一部却下、一部棄却(意見)
今後、不動産鑑定評価書が納品された際には、価格形成要因について記載がない場合には、不動産鑑定士に確認し、 不動産鑑定評価書への記載を求めたり説明を受けた内容がわかるように記録するなど見直しを検討されたい。 また、納品の際のチェックリストの作成についても検討されたい。
今後、当該土地のように長期にわたって入札を行っても売却に至らない不動産については、 売却できない理由について適切に検証を実施するとともに、他の不動産鑑定業者による財産評価の実施等も検討するなど、 不要な財産の売却を推進されたい。 - リンク先
- 掛川東高等学校校長住宅跡地の不動産鑑定に係る支出
ポイント
- 【がけ不記載】
静岡県の物件調書には「対象地はがけ条例の適用がある」と書かれているにもかかわらず、 鑑定評価書には、「がけ」や「がけ条例」のことが一言も書かれていませんでした。
擁壁から離さなければならないため、敷地内で建築できる箇所が限られます。さらに、「がけ」の擁壁には亀裂があり、 崩落の危険性すらもあります。
それにも関わらず「がけの影響はなく減価していない」と言い切った記録が、この住民監査請求です。
鑑定評価を依頼する際には、その不動産鑑定業者が信用できるかどうか、見極めなければなりません。
職員住宅の不動産鑑定に係る支出に関する住民監査請求
- 監査対象機関
- 静岡県経営管理部財務局資産経営課
- 対象行為
- 1.不動産鑑定料として195,800円の支出を行った
2.対象不動産を市場価格よりも低く評価されて、売却した - 違法又は不当理由
- 1.国土交通省及び静岡県知事から不当鑑定として懲戒及び監督処分を受ける可能性がある鑑定書を受領したことが違法
2.資産経営課職員が、土地価格(1600万円)の75%もの解体費(1200万円)を計上し、最終的に更地価格の25%(400万円)の価格が最有効使用の価格であるとした 不当な鑑定書を熟読せず、価格が妥当であると採用し、対象不動産を市場価格と著しく乖離した金額で売却したことが不当 - 請求内容
- 1.鑑定業者に対して成果品の訂正、減額・返納請求又は依頼破棄させること
2.静岡県が二度と不当鑑定への支出が発生しないよう静岡県が鑑定評価書について厳格な精読・精査体制を構築すること
3.きちんとした契約書を用意し同意した業者にのみ評価依頼を行うこと
4.必ず鑑定評価書の説明する場を設けさせ、全て議事録をとり、納得のいくまで何度でも質疑応答を繰り返させることを約束・実行し、鑑定評価書の不備を無くすこと
5.不当鑑定として処分を受けた場合には直ちに報酬全額の返金を請求できるものとすること - 監査結果
- 棄却(意見)
監査対象機関は一般財団法人日本不動産研究所浜松支所と単独随意契約しているが、今後の鑑定業者の選定方法について見直しを検討されたい。 - リンク先
- 天竜職員住宅の不動産鑑定に係る支出
ポイント
- 【行政を大きく転換させた】
静岡県資産経営課は、平成31年から令和5年度の5年間で、一般財団法人日本不動産研究所に85%も発注し続けてきました。
件数は、162件中138件(85%)、報酬額は、31,089,145円中26,472,585円(85%)です。
陳述機会では、監査委員が、職員に対して、大声で注意し、監査結果に意見がつきました。さらに、資産経営課は、改善措置も出しました。
住民監査請求の意見であっても「行政を大きく転換させる力」があることが示されました。この住民監査請求での出来事が、私の大きな「転換点」となりました。 調達課の調達方針の基本方針には「育成に配慮して発注する」とありますが、特に70歳を超える高齢、業界歴30,40年以上の大ベテランに発注し続けてきました。また、浜松市中小企業振興基本条例には、「中小企業者の受注機会の増大に努める」とあるにもかかわらず、 中小企業者の受注機会の増大に努めることなく、中小企業者ではない一般財団法人に、多大な発注を行い続けてきました。 (※一般財団法人は、中小企業基本法の中小企業者に該当しません。)
3業者の発注件数は、353件中318件(90.1%)、報酬額は133,918,670円中122,719,710円(91.6%)の偏りである。
不動産鑑定に伴う報酬の支出に関する措置
- 監査対象機関
- 浜松市の財務関係の課および土木関係の事務所当等
- 対象行為
- 1.不動産鑑定料として17件、総額5,656,200円の支出を行った
2.特定の鑑定業者を優遇し、圧倒的な偏りの発注を続けている - 違法又は不当理由
- 1.不動産鑑定評価に関する法律や規則、国土交通省のガイドラインや評価基準に反した鑑定評価書に対し、
報酬を支出したことが違法
2.浜松市中小企業振興基本条例や調達課の基本方針に反し、圧倒的な偏りの発注を続けて、 中小企業の育成を怠っていることが違法及び不当 - 請求内容
- 1.支出全額返還を求めること
2.記載しなければならない事項を、「記載しても良い、記載しなくてもよい」という理解を広めたのは誰なのか、特定すること
3.違法及び不当な鑑定評価書を、浜松市がなぜ受領するに至ったのか、その真の原因を究明すること
4.「浜松市中小企業振興基本条例」及び財務部調達課の調達方針の「基本方針」を、市全職員に徹底すること
5.特定の鑑定業者に対し、浜松市は10年間発注を停止すること。 - 監査結果
- 却下、棄却(意見)
1.不動産鑑定評価に係る業務について、関係法令やガイドライン等に基づく確認書や、必要な事項が記載された鑑定評価書の受領、 報酬額算定の方法及び時期など、他の業務と異なる特性を有している。 市は、こうした特性を十分に踏まえたうえで適正に当該業務の執行管理、検収等を行われたい。
2.市は、価格競争によらない随意契約を行う際には、説明責任を十分果たす必要があり、不動産鑑定評価に係る契約においても、 公平性や機会均等にも配慮するよう工夫されたい。 - リンク先
- 不動産鑑定に伴う報酬の支出に関する措置
ポイント
- 【発注の偏り】
調達課の調達方針の基本方針には「育成に配慮して発注する」とありますが、特に、70歳を超える高齢、業界歴30,40年以上の大ベテランに 発注し続けてきました。
また、浜松市中小企業振興基本条例には、「中小企業者の受注機会の増大に努める」とあるにもかかわらず、 中小企業者の受注機会の増大に努めることなく、中小企業者ではない一般財団法人に、多大な発注を行い続けてきました。
(※一般財団法人は、中小企業基本法の中小企業者に該当しません。)
【意見がついた意義は重い】
浜松市では、この10年間で、約10回住民監査請求が行われてきましたが、監査委員の出した監査結果は全て却下と棄却のみでした。 意見すらもつけることがありませんでした。
任期4年のところ、3期(全12年)目に突入した監査委員もいます。不適切な選任が行われていると考えられます。
その10年の壁をぶち破って、意見をつけさせたのが、この住民監査請求です。
住民監査請求が活発化し、市民の権利が守られるのか、この1回で終わるのか。浜松市民の利益を守れるかどうか、出発点となりました。
効果を実感!
静岡県資産経営課は、令和元年度から令和5年度の5年間で、一般財団法人日本不動産研究所に162件中138件(85%)発注していたところ、
令和6年度、新たな鑑定評価書の発注は0件(0%)となりました。
住民監査請求の効果だと実感しています。